勝ち抜くためには「個別化」が必須に・・・

データ分析の会社「Dunnhumby」を懐かしく思う人も多いと思う。1989年に英国で創業、データ分析によりマーケティング支援のコンサルティング企業であった。しかし、英国「TESCO」の出資を受け、小売業向け分析サービスを強化した。TESCOのロイヤリティプログラムのデータを分析し、2003年に“商品DNA”を活用した顧客をクラスタに分け、マーケティングを細分化する手法を発表した。ID-POSデータ分析で世界の小売業界に影響を与えた。

▼これは「個客の見える化」を標榜したもので、具体的にはクレジットカードとポイントカードを使う顧客の属性と購買情報からクラスタリングしたもの。それぞれの商品が持つ特徴から商品分類を作成、その購買から顧客を推定したもの。購買の仕方など行動特性とカード登録情報を加味し、顧客クラスタの情報を取り纏め、顧客ごとに異なるクーポンや情報を送り、高い確率で店舗に誘客、購買を実現させるというものであった。

▼このDunnhumbyが、パーソナライゼーション(個別化)に関しての情報を発信している。小売企業と消費財メーカーのロイヤリティを築く方法について、「個別化」をAI観点から考えたいというものだ。「個別化」は、企業成長をもたらし、顧客の買物体験を向上させる要因のひとつだからという。dunnhumbyが行った小売企業の利益性に関する調査では、「個別化」でお客様とロイヤリティを築いている企業は、そうではない小売企業と比較して利益が最大43%高いことが分かったとある。

▼そして買物体験が「個別化」され優れていればいるほど、ウォレットシェアが高いことも示されている。これまでの主流であるロイヤリティプログラムは、顧客との関係構築において大きな役割を担って来た。ただし、データサイエンス、クラウドインフラやソフトウェアが進化した足元の環境においては、ルールチェンジが起きていると言っても過言ではない。この小売業界で勝ち抜くためには「個別化」が必須となったようだ。

2025/04/30