新たな顧客層を開拓、環境負荷軽減や食品ロス対策など・・・

昨日の続きになるが、小売業界に就職した新入社員教育時に、話題となったのがAmazon傘下のリアル店舗、「Whole Foods Market」の動向についてである。昨年から始まった小型業態「Whole Foods Market Daily Shop」は、都市部を中心に新たな顧客層を開拓、環境負荷軽減や食品ロス対策にも対応している。また、昨年末には、労働組合がフィラデルフィアの店舗で結成され注目を集めた。

▼小型業態「Daily Shop」は、従来型の食品スーパーとは違う小型店舗業態だ。面積は通常店舗の10分の1以下(30坪程度)に抑えられ、都市部や通勤圏に特化した立地に出店している。「朝食から夕食まで、必要なものだけを短時間で買える場所」をコンセプトに、レディ・トゥ・イートやサラダバー、プレミアムスナック、持ち帰り用オーガニック弁当などが揃う。Amazon Oneによる入店・決済機能も搭載、利便性を追求した設計が特徴の業態だ。

▼都市型小型店と並行して、フードロス削減の取り組みに本腰を入れ始めた。食品ロス削減マッチングアプリ「Too Good To Go」との連携を開始。賞味期限が近づいた商品や売れ残りの惣菜などを半額以下でアプリ利用者に提供するもの。店舗側は廃棄コストの削減、利用者は高品質なオーガニック食品を割安で手に入れるといった双方にメリットがある。しかも、食品ロス削減に加え、地域社会とのつながり強化という観点でも注目されている。

▼業界の注目を集めたのが、「Whole Foods Market – South Street」店で、従業員による組合結成が正式に承認されたことだ。パンデミック以降に顕在化した現場の負担や、安全性確保に関する意識の高まりが背景にある。Amazonは、自社および傘下企業での組合化に対して否定的であったのだが、労務政策も大きな転換点を迎えているといえる。Whole Foods Marketは、「最高品質の自然食品を提供する」という創業理念を守りつつ、変化する市場環境に適応しようとしており、Amazon傘下に入って以来、テクノロジー主導の合理化が進められてきたが、「地域密着」「人間的つながり」といった価値観も再評価されつつあるようだ。

2025/05/04