少し前の事になるがテーマが興味深いので記したい。2025年3月25~27日の3日間、米国ラスベガスで「SHOPTALK Spring 2025」が開催された。リテールテック領域における最大級のイベントで、世界中から1万人以上の小売りやブランドの関係者が集まる。今年は商品や価格競争ではなく、顧客の「気持ち」と「期待」にどう応えるか。具体的な事例を含め、顧客中心ビジネスの成功に必要となる4つの鍵を探るがテーマとなったようだ。
▼このSHOPTALKは経営層、マーケティング、商品開発、テクノロジー担当に至るまで小売りの関係者が集うイベントであり、主催者による重要テーマとその背景を説明するコンテンツの質が高いことで定評がある。今回のイベント全体では「カスタマー・セントリシティー(顧客中心主義)の再構築」というテーマを掲げている。この概要を分かりやすく示していたのは、「小売りの新基準を示す時代思想:新黄金基準を築く」と題した講演だった。
▼顧客を理解するのに感覚ではなく、CDPやAIによるセグメント分析で、顧客の購買行動だけでなく、その裏の心理的な動機まで把握できるようになってきた。膨大なデータを分析可能なテクノロジー、商品を届けるルートの多様化、そして消費者と直接つながる無数のチャネルなど、これらがそろった今だからこそ、小売りにとって黄金期を迎える準備が整い「顧客中心」にビジネスモデルそのものを再構築すべきタイミングにあるというテーマだ。
▼この顧客を中心にビジネスを再定義するに、① 顧客ホスピタリティ、② インスピレーション発見の瞬間、③ 存在意義の明確化、④ 価格以上の価値の4つのポイントを上げていた。具体的には、実際に成果を上げている企業が登壇してケース発表したようだが、ポイントは、顧客の感情を先読みして、ブランド全体としての“もてなし”を設計する姿勢が求められていること。顧客は買いたいから買うのではなく、「発見したから買う」ことが多い。商品やサービスの価値だけでなく、そのブランドが社会にどう貢献しているかが顧客の評価基準となる。そして、機能性、デザイン、ストーリー、サステナビリティと、価格を超える複合的な価値が鍵になるという事のようだ。
2025/05/13で
