「株式会社 八代目儀兵衛」の名を知ったのは、2年ほど前に「セブン‐イレブンとおにぎりを共同開発し、全国のセブン‐イレブンで発売する」との広報リリースを見た時である。「セブン‐イレブンのお米全体の美味しさの向上を目指し、監修プロジェクトを進める」とあった。この企業は、京都に代々続く老舗米屋であり、先代より受け継がれたお米を選び抜く才覚と米炊き職人の技で究極の銀シャリを提供し続けており、数多くの食通がその旨さを認める企業(銘店)になる。
▼これ迄、コメ離れゼロの社会を目指し、米ギフト事業の展開や京都祇園と東京銀座に体験型アンテナショップを展開するなどの幅広い活動でコメ業界を盛り上げて来た。セブン‐イレブンとのプロジェクトで作り上げた「こだわりおむすび」も、業界の常識を覆す監修ポイントを上げ、「目利き」で食味計を一切使わずに、おにぎりブレンドに適性の高い品種を選定した。その上に「精米方法」はうまみの層を残した精米方法へ変更、冷めても甘いを実現する「ブレンド米づくり」などの努力の結果で実現したものだ。
▼この企業の「銀座米料亭 八代目儀兵衛」で食事体験したと自慢顔の友人に会った。この店舗、インバウンドも追い風になり1時間おきの予約は連日いっぱいの様子。ランチは、すき焼きやひつまぶし、お茶漬けなどもあるが、お造りや焼き魚、天ぷらなどがセットになった“満開御膳”を食したようだ。予約時間の15分前までに店頭へ、入店するとすぐに料理が提供され、食事時間は30分ほどで終了。客の入れ替えがスムース行われムダはないという。
▼ご飯にはおこげが添えられ、特製の「塩」と「ごま塩」で食したとまた自慢。食感と香ばしさは感動らしく、ご飯の風味、ほんのりした甘さ、炊き上がってから10分以上経過したご飯は出さないとの説明通りに適度な温かさであったと何度も話した。今では「八代目儀兵衛」の米を使ったメニューをウリにしている飲食店も多く、ミシュランの星付きレストランから機内食向けに航空会社にまで米を卸しているという。米不足で、初めて日本のコメ事情を知った人達もも多いと思うが、友人の話を聞き、改めてコメについて考えて頂きたいと思ったのだ。
2025/05/17