「変化対応力」によって成長を遂げてきたコンビニエンスストア(CVS)業界も、成熟化現象の中、店舗網を生かした成長施策を始動し始めた。これまでの「店舗増」から「既存店の収益性アップ」へ舵が切られている。コスト高の中、顧客の節約志向が強まり、過去3年とは異なる逆風が吹いている。人手不足、最低賃金上昇で加盟店収入の確保と省力化の取り組みが課題だ。セブンモデルからの脱却も始まっている。加盟店オーナーも不足しそうだ。
▼CVSの動向は、当然ながら食品スーパーへも影響を及ぼす。品揃えは勿論、営業時間やサービスまで含めたフォーマットの革新が盛んになって来た。沖縄県での仕事を終えて戻って来た友人が、地元スーパーの新業態での買物体験を話してくれた。沖縄県で24時間スーパー「ユニオン」を運営する野嵩商会(全国スーパーマーケット協会 正会員企業)が、生鮮食品に特化した新型店の展開に乗り出した。CVSの増加で24時間営業の強みが薄れてきたため、店舗形態の選択肢を増やすという。
▼野嵩商会は、沖縄本島中南部でユニオン19店舗を運営しており、1990年から段階的だが24時間営業を開始してきた。「今、開いてます。ユニオンですから」のキャッチフレーズで知られる。この企業が、那覇市の住宅地に生鮮特化型の新フォーマット店「スカラ」を開店した。ユニオンと同様に割安な価格で集客を狙っているが、違いは、生鮮食品と惣菜の比率を55~60%に高めたことだ。半面、雑貨類は最小限の品揃えに抑えており、ペット用品や育児に関する用品なども置いていないという。
▼今年3月末のCVS大手3社の県内店舗数は790店となり、ユニオンの来店目的が薄れてきている。24時間営業店は深夜も人通りが見込まれる場所に限られる。そこで深夜に人通りが激減する住宅街などでも出店可能な店舗形態を探ってきた。スカラは、午前9時から午後9時までの営業とすることで住宅街などへの出店に対応した。仕入れや店舗運営の効率化によるコスト削減を積み重ねての新フォーマットのようで、事業の柱を増やし売上高1000億円を33年度に達成したい考えのようだ。
なお、24年3月、「ロピア」が沖縄県に「ロピア沖縄国際通り店」を開店したが、野嵩商会がロピアと全国初のFC契約で展開したものである。
2025/05/22
