国分グループ本社(株)は、第11次長期経営計画(2021~25年期)に「社員幸福度の向上」を重要戦略のひとつに据えている。取引先である顧客の満足度向上だけでなく、「従業員の仕事における幸福度」の向上も重要な要素と捉え、職場環境を、働きやすく・働きがいのあるよう整え、従業員はなりたい自分に向かって、同僚と切磋琢磨することで幸福度向上を図るという。一人ひとりの幸福度を向上させて会社全体、社会へと幸せな状態を広げていく循環を創っていくという考えだ。
▼きっかけは、2016年にグループ各社を再編、基盤システムを統合した際、組織体制や人事制度、業務オペレーションなどの変革を進める中で、コロナ禍が重なってしまい、改めて人を長期視点で大切にする企業文化やソフト面が成長にとって大切だと認識したからだ。そして、幸福度を測る独自の指標を策定、パートを含めたグループ社員約6000人のアンケートを毎年実施している。アンケートの設問は40問で、幸福度を測る問いが34問ある。
▼ここには、『主観的幸福感』を測るものが5問、そして国分グループ本社の価値観への共感度を測る設問もあるという。新入社員も5~6月に調査している。「当てはまらない」から「とても当てはまる」までの7段階で回答するもので、「主観的な幸福感」への設問における肯定的な回答割合を企業のKPIのひとつに加えている。この数値だが24年は49.8%とのことだ。データ分析から、社員の人生目標と、国分の価値観への共感度の重なりが大きいことが主観的な幸福感が高いことが分かったという。
▼働く幸せを高めることが、会社全体の価値創造や業績向上に欠かせないことは、言うまでもないが、国分グループ本社の業績は、従業員の仕事における幸福度の数値変化に比例するように好調に推移しており、24年12月期の連結決算は売上高や経常利益で過去最高を更新している。これからの企業経営を考える時、社員一人ひとりの価値観をどう把握し、どう仕事に当てはめて取り組んで貰うことが可能になるのか。企業の価値観に共感してもらい、仕事への取り組みの意図を理解してもらえる工夫が大切になりそうだ。
2025/06/01
