食品小売業各社のPB売上構成比が上昇している。ヤオコーの前期のPB商品の売上構成比が10.27%とあるので興味深く幾つかの企業の構成比を見てみたのだが、「業務スーパー」の34.5%を筆頭に、オークワ、ユニー、イオンリテール(食品)、ラルズ、ゲンキーはすでに20%を超え、トライアルHD、バロー、平和堂、ベイシア、ハローズ、コスモス薬品、マツキヨココカラ&カンパニー、ツルハHDなどが1割を超えている。
▼インフレ下で、お客の節約志向、価格競争激化、コスト上昇が経営環境を厳しいものにしているが、食品スーパーも例外ではない。この状況の中で、どの企業も戦いの武器として存在感を高めているのがPB商品のようだ。NB商品とほぼ同等のものを2~3割安く提供でき、差別化も図れ、荒利益率はNBより10~15%高いPB商品の拡販は、チェーンストア産業の最終目的のひとつなのだが、期せずして経営環境が推進力として作用している。
▼大手2社のPB商品の動きだが、セブン&アイの「セブンプレミアム」は、初めて1兆5000億円を突破した。この約9割は食品であり、高価格帯の「セブンプレミアムゴールド」も前年を超えたが、21年度より発売を開始した低価格帯の「セブン・ザ・プライス」は、分母が小さいとは言え躍進著しく前年の2倍に増えている。イオングループの「トップバリュ」も8.3%増と絶好調で、1兆983億円を達成した。こちらも売上げを押し上げているのは低価格ラインの「ベストプライス」で2桁増が続き、食品PBの5割近くを占める。
▼コーネル大学RMPジャパンにも出講頂いている松田先生のJMR生活総合研究所が昨年6月、20~69歳の男女1100人を対象に実施した調査では、1年以内にPB商品を購入した人が72%。中でNBからスイッチした人も58%に上っており、その理由の1位と2位は「PBを試してみてコスパが良かったから」「品質が良かったから」とあり、PB商品を試した人の多くが、価格との比較でNBより価値が高く、品質も遜色ないと感じているということになる。ここには日本特有の商品開発の特徴がありそうだ。(つづく)
2025/06/04
