2007年の郵政民営化によって、日本郵政の子会社として、郵便局の事業を行う会社として発足した「日本郵便」だが、大変なことになっているようだ。郵便業務では、手紙やハガキなどの郵便物が年間約126億通、『ゆうパック』などの荷物約43億個を取り扱っている。従業員数は約17万人おり、貨物自動車運送など13の子会社を持っているが、国土交通省は、一般貨物の運送事業について、許可を取り消す方針を明らかにしたという。
▼全国の営業所で点呼業務を実施しないまま、貨物運送事業を行っていたことが発覚し、適切に法定の点呼が行われているかなどを全国3188の郵便局を対象に内部調査をした結果、75%にあたる2391の郵便局で、何らかの不備が確認されたという。法令では、事業者に対し、運転手の飲酒の有無、睡眠や疲労などの体調面についての確認を原則、業務前と業務後に対面ですることを義務付けている。会社全体の構造的な問題ということになる。
▼許可が取り消されて使用できなくなる車両は、全国13カ所ある中継地に各郵便局から集めた荷物を輸送、中継地点どうしの荷物の輸送に使われているもので、トラックが約700台、ワンボックスカーが約1800台、あわせて約2500台という。他にも郵便局から受取人まで荷物を運ぶ軽自動車や軽二輪車が約3万2000台。原付きバイクが約8万3000台を使用している。軽自動車や軽二輪車は対象とはならないが、国交省は、行政処分も検討するとしている。
▼『ゆうパック』の取り扱い個数は、日本の宅配事業全体の20%程度を占めており、郵便事業への影響は避けられない。車両が使用できなくなった場合、同業他社に輸送を委託することも含め検討をしている。外部委託が増えれば収益への影響も大きそうだ。郵便・物流事業という社会的インフラを担っている事業者として存立にもかかわる重大事案だ。再発防止策が進むが、モラルの問題だけでは片づける事が出来ないのではないか。当時の政権が行った郵政民営化から20年経つが、どうも始末が良くない。
2025/06/07
