コメの価格に関する報道は異常と思う。毎日、これだけの報道が続くと消費者の不安感が増して必要以上の購入意欲を煽ってしまう。備蓄米を放出して市場価格を引き下げようとの動きは理解できても、この備蓄米があっという間に売り切れてしまう状況を見ると、コメ不足への不安感が根強いものがあり、更に品不足感を深刻化させるのではないかと心配になって来る。農業問題だけでなく、日本の足元の状況を知っておかねばならないはずだ。
▼知るためには、情報収集する必要がある。情報収集するだけでなく、生き抜くためには疑いながら、考えながらやっていかなければならない。若い人たちと議論する時に話すことは、どんな情報でも疑いながら、考えていくこと。これからの時代、どうやって生きていくか(経営していくか)を真剣に考えること。強い精神力を持つ事だ。残念なことに、日本のチェーンストア発展の源は、米国を真似することにあったので、答えを聞くことだけに熱心だ。
▼例えば、日経新聞5月1日掲載の記事には、「日本の幸福度、22カ国中最低」とあった。米国ハーバード大学などの研究チームが、世界の22カ国に住む約20万人の幸福度を多面的にアンケート調査した結果なのだが、総合的な幸福度が最も高かったのはインドネシアで、日本は最下位の22位だった。楽観主義や自由、達成感などの多くの指標で最も低く、親しい友人がいると答える人が顕著に少なく、不安や心配などを感じる人が多かったようだ。
▼「幸福度」という抽象的な調査なのだが、「日々の生活に満足していますか?」との問いに対して、日本人は、選択肢の真ん中を選びがちだ。特に悲観的なわけではなく、可もなく不可もなければ、とりあえず真ん中の選択肢を選ぶのが日本人の感覚なのだ。多くの国では、問題が起きていない限りは「5」または「4」を付けやすい。ラテン系の民族は特に最高点を付ける傾向がある。日本人特有の曖昧回答、中間回答傾向がスコアを引き下げる要素になっている。選択傾向に国民性があるのと同様に、県民性でも同様で沖縄県民は相対的に幸福感が高い。「そもそも幸せとは何だろう?」という根本的な問いに立ち返り考え抜くということが重要と思える。
2025/06/09
