7月訪問、米国小売業のいまは・・・④

米国小売市場において、全体の成長を牽引しているのがECである。2024年のEC売上高は対前年比7.3%増と堅調に推移し、小売売上高全体に占めるEC化率は29.1%に達した。EC化率は29年には35.1%にまで拡大する予測もある。ネットスーパーも20年のコロナ禍の初期に急成長し、その後は安定成長を続けている。有力企業が続々と参入しロイヤルティの向上や生成AI活用を通じて競争力強化を企てている。25年度の市場規模は2539億ドルで、対前年度比15.8%増の拡大が見込まれる。

▼ネットスーパー売上(推計値)だが、1位は「Walmart」の638億ドルで、市場シェア約28%。2位は「Amazon.com」の484億ドル(同約22%)で、この2社で市場の約半分を占めることになる。3位は「Instacart」であり、取引総額ベースで334億ドル、同約16%である。Instacartはアプリ開発、マーケティング、配送というネットスーパーに関するサービスを一貫して提供している。

▼このInstacartは、「Publix」、「H-E-B」など、大手リージョナルスーパーからローカルチェーンまで1800社、8万5000以上の店舗で食品配送業務を担っている。中小食品スーパーのEC事業を後押しする存在として急成長を遂げている。4位が「Kroger」で210億ドル、市場シェアは約10%ある。上位4社で全体の70%以上を占めている。これからも、ネットスーパー運営には高度な物流体制と相応の資本が必要になるようだ。

▼ネットスーパーの運営は大きく3つのタイプに分類することができる。1つめは、Walmart、Amazon.com、「Target」などの自社運営型で、自社でサイト開発、運営、配送までを一貫して担う。多額の投資が必要なため、採用できる企業は限られる。2つめは、Instacartや「DoorDash」などの第三者プラットフォームに委託する方式で、投資負担の軽減の観点から多くの企業がこのモデルを採用している。3つめは、店舗を持たないネットスーパー専業型だ。有機食品やアジア食品に特化するなど特徴的な商品を扱う企業が多い。

2025/06/17