専業型ネットスーパーも、顧客ターゲットを絞り独自の取り組みで売上を確保している。オンライン専業型ネットスーパーの先駆者「Fresh Direct」は、1999年の創業当初から低価格な料金と高鮮度な商品が評価されてきた。配送地域をニューヨーク市内のみ、しかも期間を夏季や一部のホリデーシーズンに限定して営業している。限定エリアなので配達時間の調整、注文内容の変更もアプリで簡単に修正できるなど利便性は高い。
▼小規模独立系企業であるFresh Directは、法規制を受けずに酒類も他の食材と一緒に配達できる点も強みだ。他にも専業型ネットスーパーで、サステナブルな「良い会社」に与えられる認証取得の企業も存在感を強めている。ミレニアル世代の母親層が顧客ターゲットで、会員数は200万人を超え、しかも会員の離反率が低いという。また、オーガニック系の食品を扱うネットスーパー、販売規格外の食品を販売する企業やアジア食品に特化した企業などだ。
▼そして、米国の小売業動向のもう一つは「生成AIの活用」による買物体験向上策だ。Amazonは24年2月、対話形式で商品を提案するAIショッピングアシスタント「Rufus」を全米で本格導入した。対話で質問の意図を汲み取り、気持ちに寄り添う対応で、これまでの利用者自らが検索することを前提とした従来のECでは実現し得なかったサービスになる。さらに今年の5月から「Enhance My Listing」と呼ばれる機能を導入し、商品ページの閲覧効率を高め、売上向上に寄与すると同時に、販売業者の労働生産性の改善につなげている。
▼インスタカートは、生成AIを用い高度にパーソナライズされた商品提案を行う「Smart Shop」を導入。顧客の行動パターンを分析して商品にフィルタリングをかけ、在庫状況や顧客の購買履歴と同時連携することで、精度の高い商品提案を実現している。また、商品ラベルの文字情報や画像データをAIが読み取ることで分類・表示する「Health Tag」機能を開発。13億件以上のデータをもとに、グルテンフリー、人工添加物不使用など、30項目にわたる栄養・健康基準を一目で確認できるようにした。
2025/06/19
