7月訪問、米国小売業のいまは・・・⑮

コーネル大学RMPジャパン13期の修了研修も近づいてきた。「イサカ市はスーパーマーケットの街」と言われるほどたくさんの食品スーパーがある。特に「Wegmans」と「Aldi」の店舗は、バックヤードを含め、細かく企業の考え方を学ばせて頂けるので期待して、店舗訪問頂きたい。昨年のWegmansは、改装の途中状態であり、企業の強さを十分に理解することが出来なかったが、今年は革新に積極的な企業の新しい店舗の姿が見られると期待したい。

▼このWegmans、「スマートカート」の比較実験を行っていることが米国内で話題となっている。Wegmansは、スーパーマーケットのイノベーション導入にも積極的でスピーディであり、アプリを介してサンドイッチ等を注文して受け取るモバイルオーダー「Wegmans Meals 2Go」の導入も他社より早く、顧客がスキャンしながら買い物を行う「Wegmans SCAN」も一時期9割の店舗にまで拡大した。ただ、このWegmans SCANだが、始動から3年後の22年9月には万引きを理由に全撤去され大きな話題にもなった。

▼23年には、一部店舗でこのスマートカートの実験をしていたが、中止した経緯がある。話題となっているのは、本社近くの3店舗で新たなスマート・ショッピングカートの実験が行われているというものだ。イサカ市の見学店舗は実験対象の店舗ではないが、Amazonが開発したスマートカート「Amazon Dash Cart」の実験を2店舗で、他の1店舗では「Instacart」社のスマートカート「Caper Cart」でのテストという。22年に問題があり全店撤去したWegmans SCANに代替する方法を見つけたいのであろう。

▼ネットスーパーの普及・拡大が考えられているので、レジ係の人員をピッカーに割かなければならないはずだ。そこで万引きの温床になっているセルフレジとスマートカートを比較しているのだと思える。Amazon Dash CartとCaper Cartの比較も顧客の使い勝手、評判以上に不正の少なさ、万引きの少ない機種を探しているのかも知れない。結果がでるのが楽しみでもある。25年の米国小売業の見通しは、AIの浸透とPBへの取組とある。小売業界に変化をもたらし続けるであろうテクノロジーを意識して店舗訪問をして欲しい。

2025/06/30