20日投開票の参院選で自民・公明の与党は過半数を割り、衆院選に続く敗北で、自民党政権が衆参両院で少数与党となるのは初めての事態となった。昨日、石破首相は続投を公式に表明したが、連敗の責任は重く、自民党には解党的な出直しが求められる。今後の政権運営は野党の協力なしには困難であり、野党の責任も増して来るはずだ。国際秩序の不安定化や日米関税交渉など重要課題が山積する中、与野党ともに受け狙いではない責任ある対応が必要になって来る。
▼比例代表でも、自民党は過去最少の12議席にとどまり、全国的な支持基盤の低下が明らかだ。従来の一時的な自民離れではなく、国民政党としての足場が揺らいでいる。公明党も8議席と振るわず、組織の高齢化と弱体化が進んでいる。両党に共通するのは、既存の支持層への依存の限界である。首相は新たな連立を否定したが、政権維持には、新たな安定した連立相手の模索が不可避となる。
▼一方、立憲民主が22議席、国民民主が17議席、参政党が14議席を獲得し、特に比例代表では三党が7議席で拮抗した。国民民主や参政党が伸長したが、欧米のように所得格差や移民問題などで社会の分極化が進めば、特定の支持層に特化した政党が勢力を拡大する可能性もある。中道の国民政党が成り立ちにくくなっている現状は、政党政治の在り方に大きな影響を及ぼす。連立や与野党協議を通じて政治を動かす時代が常態化する可能性が高い。
▼分極化は、分断を固定化して排外主義的な言動が波及しかねない。冷静な議論と包摂的な政治の姿勢を貫いて欲しいものだ。新聞各社の社説を見ると、読売新聞と産経新聞の自民党寄りの新聞は、石破茂総理は退陣せよと指摘している。朝日新聞は、積極的に辞任せよではないが、辞職が筋だろう、とある。毎日新聞も退陣の声が出ると指摘。日経新聞、中日新聞は、与野党の真摯な議論を促している。それにしても「選ぶ候補者がいない」、「選ぶ政党はもっとない」との声を多く聞いた選挙だった。
(2025/07/23)
