地球温暖化を食い止めるタイムリミットは・・・

朝のTV番組(ニュースワイドショー)で日本の異常気象を取り上げていた。環境問題の中で最も深刻なものが地球温暖化になる。二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により、地球全体の平均気温が上昇し異常気象や海面の上昇、生態系への影響など様々な問題を引き起こしている。これを食い止めるタイムリミットは2030年と指摘する学者も多い。食料品への影響も多くなりそうだ。既に、イカなどの漁獲量に大きな変化が出ている。コメの生産も水不足が深刻な地域もある。

▼日本経済新聞は、日本の主要都市における真夏の「湿度」が近年急速に高まり、「蒸し暑さ」が一段と厳しくなっているとの分析を載せた。背景には海の温暖化による大量の水蒸気流入があり、東京の湿度はバンコクを上回る水準に達しているという。気象庁は、日本近海の海面水温は100年あたり1.33度のペースで上昇し、世界平均の2倍超という。その結果、空気中の水蒸気量(蒸気圧)が急増、都市部の湿度が押し上げられている。

▼東京・名古屋・福岡では24年8月の平均蒸気圧が観測史上最高となった。高湿度は体感温度の上昇や熱のこもりやすさにつながり、不快指数も上昇傾向にある。福岡では24年に過去最高の82.6を記録。「全員が不快に感じる」指数80超の日が増加している。とりわけ東京では、過去10年の8月の平均湿度が上海やバンコクを上回り、気候分類上は温帯であっても実質的には熱帯地域に匹敵する蒸し暑さを感じる状況にある。

▼この湿度上昇は、熱中症リスクの増加を招いており、救急搬送件数も増加中。汗が蒸発しにくく体温調節が困難になるため、エアコンの使用、水分補給、外出制限といった積極的な予防策が必要とされる。気象庁の予報では25年夏も平年より高温が見込まれ、厳しい蒸し暑さが継続するとみられる。食料自給率の低い日本である。食品スーパーにとっても、大変な時代を迎え始めている。食料不足に対する構えも考えなくてはならない。

(2025/07/29)