このメッセージ欄、14期の開講迄、充電します・・・

Walmartは、かつて「オムニチャネル・リテーラー」と再定義したが、今度はさらに踏み込んだAI主導の次世代戦略を打ち出した。今後5年でオンライン売上を総売上の50%に引き上げるという大胆な目標を掲げ、新たなAI戦略を発表したのだ。これはAmazonに対抗する競争力をAIの活用で高めるもので、4つの「スーパーエージェント」を軸に、顧客体験・従業員業務・サプライヤー対応・開発環境を抜本的に刷新する構想である。

▼中でも顧客向けの「スパーキー(Sparky)」は、買い物リストの作成やレシピ提案、イベント準備などの目的ベースの買い物支援を担う。従来の検索機能に代わり、顧客の目標達成を起点にAIが必要な商品や行動を提案する仕組みで、ショッピングの概念そのものを変革する可能性を秘めている。従業員向けの「アソシエイト・スーパーエージェント」は、シフト調整や人事申請、販売分析などの業務を効率化し、管理職の業務時間を1日あたり約1時間削減する効果もあるとされる。

▼さらにサプライヤー・広告主向けの「マーティ(Marty)」は、発注や広告キャンペーン構築をサポートし、オンボーディングの迅速化にも寄与する。開発者向けの「デベロッパー・スーパーエージェント」は、AIアプリの開発・テスト・展開基盤として、技術面を支える。これらのスーパーエージェントを「生成AIの次世代型」と位置づけ、人間の意思決定や介入を最小限に抑える自己完結型のAIエコシステムを志向している。最終的には、ウォルマートがあらゆるショッピングにおける「AIのハブ」として機能することを目指している。

▼ウォルマートは元インスタカート幹部のダニエル・ダンカー氏をAI戦略の最高責任者に起用し、CEO直轄の体制で推進。AIをビジネス中核と捉え、意思決定や業務遂行の自動化を徹底することで、「AIを介した買い物エコシステムの中核(ハブ)」となることを目指している。このようなAI戦略は、小売業全体に大きな影響を及ぼすとみられ、今後は、従来の「品を探して買う」購買行動から、「目的を達成する」購買体験へのシフトが起こる中で先行者優位を築けるかが注目される。小売業で勝つのは、顧客の買物の仕方をパーソナライゼーションできる企業という事なのだろうが、実際、国内企業への影響を冷静に学ぶ必要を感じる。

コーネル大学RMPジャパン14期の開講は10月中旬を予定しています。このメッセージ欄もそれまで掲載を休みます。これまでのご愛読に感謝申し上げます。酷暑の夏、ご自愛専念下さい。