「令和の米騒動」、コメの増産や輸出拡大の実現は・・・

2024年後半から25年前半にかけてのコメ価格高騰は、「令和の米騒動」とも呼ばれ、大きな社会問題になった。25年産米の収穫量予測は全国で約735万トン程度と見込まれており、前年の約679万トンに対して約56万トンの増産が見込まれている。但し、全国的には「平年並み~やや恵まれた作柄」を見込む見方が主流だが、地域差は依然大きく、特に高温・乾燥条件が厳しかった地域では収量・品質低下リスクが懸念されている。

▼店頭・流通段階の価格水準は、高値定着傾向にある。新米が市場に出始めた時点で、5kgあたり価格の上昇がはっきりと観察されている。食品スーパーでの平均価格は5kg4,155円(9月上旬時点)と報じられ、前年同期比で+39.5%の上昇だ。銘柄米・特定産地米ではさらに高値で、5kgで4,000円台後半に設定されている例もある。JAが農家に支払う前払い金(概算金)も各地で引き上げられている。概算金の上昇は新米価格を支える重要な要因となっている。

▼「令和の米騒動」を考えるに、「価格高騰の要因」と「政府の対応」を見ておく必要がある。価格高騰は、猛暑による精米歩留まりの低下、高齢化に伴う生産者の減少などによる生産量の減少、南海トラフ地震臨時情報に伴う買いだめ、小麦価格の高騰、インバウンド需要など消費量の増加が指摘された。政府の対応では、政府備蓄米が脚光を浴び、放出の遅れに対しての批判、その後の緊急放出と備蓄米の販売機会(購買機会)の問題も話題になった。

▼主食用米の需要量はピーク時からほぼ半減、全ての水田で主食用米を生産すると供給過剰で価格が下落に繋がるので転作を推進している。24年産米で見ると、水田面積177万haのうちの主食用米の作付けはその7割に過ぎない。石破茂首相の意を受け農林水産省は、コメの増産や輸出拡大という方針を打ち出したが、農林族議員や農業団体は、転作を伴うコメ政策の継続を求めている。日本のコメ政策は多くの問題を抱えており、農水省は水田政策の27年度見直しを表明している。今後の動向に目が離せない。

2025/10/05