新たなリスク管理が必要・・・

アサヒグループホールディングス(GHD)のサイバー被害の影響が長期化しているようだ。9月29日にアサヒGHDは、サイバー攻撃により社内システムに障害が発生したとの発表があり、グループ各社において、国内での受注・出荷業務、コールセンター業務などが停止されたと公表された。報道では「ファイル暗号化によるランサムウェア攻撃(身代金要求型ウイルス)の可能性」が言及されている。

▼国内グループ会社での受注・出荷業務が全面停止、お客様相談室やコールセンター業務も停止している。製造自体も停止、または出荷ができない状況にあり、複数の国内工場で出荷停止が続いているとの報道もある。福島工場では、物流・生産管理システムを使えない状態でパソコンを停止、紙で記録を取るなどの対応とのことようだ。「アサヒスーパードライ」などの在庫が店舗で枯渇する可能性も出そうだ。10月1日に予定されていた「ミンティア」「1本満足バー」「三ツ矢サイダー」など、食品・飲料の新製品発売が延期された。

▼「グリコ」でも、2024年4月に同様の事象が起きた。社内システムの切り替え直後に障害が発生、受注・出荷・物流センターでの業務停止やデータ不整合が起きた。特にチルド商品が影響を大きく受け、出荷停止が長引いた。こちらは外部攻撃ではなかったが、いずれにしてもシステム復旧には時間を要するようだ。小売業でも「イズミ」が、VPN装置を経由してグループ会社のサーバーにランサムウェアが侵入された。物流、受発注、在庫管理をオンラインで制御している小売業は停止の影響が広範にわたってしまい、復旧に3ヶ月以上要している。

▼今回の例でも、攻撃者はアサヒかその関連企業であるベンダーのリモートアクセス装置やVPN、ファイアウォールなどに潜在的な脆弱性を見つけて侵入、一定期間潜伏して、バックアップファイルへのアクセスやログ削除を試みたり、暗号化準備を進めたりしてから、本格的な暗号化や業務停止を実行したのだろう。再発防止には、「技術的な対策(ネットワーク分離、侵入検知、権限管理、バックアップ等)」と「運用・体制(IR体制、セキュリティ教育、ベンダー管理、演習)」の両輪が不可欠になるのだろうが、新たなリスク管理が必要の時代なのだ。

2025/10/10