「フォーマット開発」の意義は・・・

業界で一般的に使われている言葉には、様々な意味で使用されている。「フォーマット(format)」という言葉も、最近よく使われる言葉であるが、どのような意味を持つのか確認して理解する必要がある。日本リテイリングセンターでクラブ会員向けに発刊している『チェーンストアのための必須単語1001』によると、「品そろえの特徴による店の累計を表す言葉」とあり、業態類型を意味し「業種」に対応する意味で使われている。

▼このプログラムでは、フォーマットを顧客からの店づくりを意味し、品揃えの特徴による店の分類の意味で使用している。フォーマットの違いが、店の必要商圏人口や多店化力の違いになるので、自分の立ち位置をはっきりさせて、個性を出すことが重要であり、経営的視点は利益構造の確立にある。基本業態+ポジショニングという事になる。端的に言えば、業態としての食品スーパーを、どんな① 差異性、どんな② コミュニケーションとプロモーション、どんな③ ブランド等の効用を訴求するかを意味する。

▼「フォーマット開発」の意義は、単なる新店舗の設計や改装に留まらず、経営戦略そのものを体現する手段として非常に重要なものだ。幾つかのポイントをピックアップしてみると、先ず「差別化と競争優位性の確立」を挙げる事が出来る。価格競争が激化するなかで、単に「安さ」で勝負するだけでは模倣されやすい。フォーマット開発により、「生鮮強化型」「小型都市型」「EDLP型」「高付加価値型」など、自社独自の強みを顧客に明確に示せる。(株)マミーマートが開発した「生鮮市場TOP!」「マミープラス」は大成功を収めている。

▼加えて「顧客ニーズの多様化への対応」があり、異なるライフスタイルや消費シーンに適合する武器となる。「経営資源の最適配分」もあり出店余地が縮小する中でも「小商圏でも成立」「物流効率化を組み込む」など、資源の使い方を刷新する意義を持つ。「収益構造と成長戦略の転換」、「経営課題への適応力(環境変化対応)」の面からもフォーマット開発の最大の意義は大きい。食品スーパーにおけるフォーマット開発は、需要適合、差別化、持続的成長、環境変化への適応のために重要な意味を持つものだ。

2025/10/12