「マーケター・オブ・ザ・イヤー」大賞にみる心意気・・・

日経BP社のアワードのひとつに、「マーケター・オブ・ザ・イヤー」がある。新市場を創造した人や画期的なマーケティング戦略を推進した人を表彰するもので、今年は第8回目にあたる。今回は、原則2024年9月から25年8月までに発売された商品やサービスで結果を残した人物、目覚ましい成果を上げた人物を対象としたとある。大賞は10月3日に発表されたが、評価基準は、「志」「挑戦」「便益」「実行」「話題性」の項目であったようだ。

▼このアワード「イノベーションを起こし、ヒット商品を生み出すのは企業ではない。人である──」との観点から運営されている。物価高が長期化し、生活者の購買判断がよりシビアになる中で、マーケターは改めて生活者目線に立ち返り、長く愛される商品・サービスの創出をリードした功労者10人が選出された。審査員特別賞や地方発を含む9つのブランドの事業拡大をけん引した人が選ばれた。生成AIが浸透し始めた環境下にあって、どのようなインサイト(顧客や消費者の隠れた本音)を見いだし、市場を創造したのか興味深い。

▼アワード対象は「人」になるが、そのブランドを見てみたい。アワードの全国編の大賞は、日本ハム「シャウエッセン 夜味」であった。優秀賞が4つ、花王の「マーケティング改革」、リカバリーウエア「BAKUNE」、丸亀製麺「丸亀うどーなつ」、ローソン「地域共生コンビニ」である。審査員特別賞がアソビシステム「KAWAII LAB.」。地方編の大賞が、「ポイポイバトラー」、地方編の優秀賞が「おてつたび」、竹の箸ブランド「okaeri」である。

▼食品スーパーの売場に並んでいる商品もあり、評価のポイントが知りたくなった。例えば、「シャウエッセン」は、40年以上のロングセラーブランドだが、朝と昼に食べる人が約8割を占める中、あえて「夜味」という味を伏せたネーミングで、夜に食べるという新しい価値を提供し、24年10月~25年1月の期間限定で展開し販売目標の3倍を超えるヒットを生んだ。好調な売れ行きで、売場拡大や店頭販促の増加にも寄与、通常の商品の売上増に貢献したことが評価された。ブランド内で“禁じ手”と言われていた「焼き調理」訴求の解禁を試みたりするなどの話題化も奏功したとある。ブランド物語して、もう少し深掘りしたくなった。

2025/10/29