トライアルHDは、来年6月期までに東京など首都圏で小型スーパー「トライアルGO」を13店舗開設する。「トライアルGO」は、省人・無人運営モデル創造への挑戦をしている。従業員はバックヤード待機、店舗はカメラとAIによる遠隔監視で運営する。会計はセルフレジのみで、惣菜や日配商品には自動値引きシステムを導入、センサー付き棚が商品コードを読み取り、リアルタイムで価格変更を表示する仕組みでロス削減につなげる。首都圏進出は初めてで、低価格と省人化技術を武器に、コンビニエンスストア市場を直接狙うのであろう。
▼地方の人口減少が進む中にあって、主力の郊外型「スーパーセンター」が影響を受ける中、同社は都市型小型フォーマットで新たな成長軸を築く計画のようだ。第1弾として、2025年11月上旬にJR西荻窪駅と西武線富士見台駅付近に出店。商店街やマンションの1階など、一定の生活需要が見込める立地を選定する。福岡では既に約20店を展開しており、東京を皮切りに大阪・名古屋など大都市圏への水平展開していく計画のようだ。
▼この「トライアルGO」、弁当・おにぎり・寿司などの調理食品を圧倒的な低価格で提供している。福岡へ出張した際に立ち寄った店舗では「ロースカツ重」約300円、おにぎり100〜130円、デザートも100円台と、近くのコンビニ価格の半分以下を実現していた。首都圏への出店予定店舗だが、西友の店舗や製造拠点で調理された商品を高頻度で配送する体制を構築、物流施設の統廃合も進め、調達・配送・在庫の全工程でコスト圧縮を実現する構えだ。
▼全国で約350店舗を展開しており、「スーパーセンター」型で食品とホームセンターを融合してきたのだが、郊外人口の減少と競合激化の影響を受け、機動的な小型出店で消費地攻略を強化する。ただ、都市部ではセブン-イレブン、イオンの「まいばすけっと」、オーケー、ロピアなどがすでに店舗網を拡大。土地確保と採算維持の両立が鍵となる。人件費・光熱費上昇の中でいかに利益を確保できるかが問われる。いずれにしても今後の都市型流通再編の行方を占う試金石となりそうだ。
2025/10/31
