米国のベインキャピタル(Bain Capital LLC)傘下となったヨーク・ホールディングス(ヨークHD)の戦略は、収益の確保に長年苦戦してきたイトーヨーカ堂の再建が焦点となっている。最大の事業会社であるイトーヨーカ堂は総合スーパー(GMS)として、これまでフード&ドラッグ事業のほか、専門店事業やテナント管理事業を抱えてきたのだが、27年度以降はフード&ドラッグ事業に経営資源を集中させるとの経営計画だ。「消費頻度が高く、日常利用される食品スーパー領域での差別化が重要」と話し、食品スーパー事業を強化していく方針を掲げた。その柱となるのが、イトーヨーカ堂の事業構造の見直しになる。
▼長い期間、収益確保に苦しんできたイトーヨーカ堂だが、ここ2年間は「食の強化」を中心に改革を進めてきた。首都圏で食品スーパーを展開するヨークと経営統合し、セントラルキッチンにプロセスセンターを併設した「Peace Deli千葉キッチン」を稼働させ、食のグループ共通インフラを構築した。そのほか、地方店舗の閉鎖などのコスト削減も行った。その結果、26年2月期の第2四半期の営業利益は106億円の黒字に転換、また11年以来の大幅な増益を達成している。営業利益率も2.9%で回復の兆しが見えている

地元メーカーのクラフトビール
▼このイトーヨーカ堂が東京都葛飾区に「ヨークフーズMARK IS葛飾かなまち店」を開店した。親会社のヨークHDがベインキャピタル傘下の新体制になって初の新店となる。この店、JR常磐線「金町」駅から徒歩7分の場所にある。三菱地所運営の大型ショッピングセンター「MARK IS葛飾かなまち」内1階にオープンしたもの。かつて「イトーヨーカドー金町店」(22年に閉店)が長年営業していた場所で、再開発に伴う食品スーパーとして再出店を果たしたのだ。
▼店舗は、半径1㎞は約2万5000世帯/約5万人が居住し、ファミリー層が多い。半径3㎞内には自社店舗が5店舗あり、イトーヨーカ堂のドミナントエリアとなっている。売場面積は592坪。「地域のお客様がより楽しく豊かに食生活ができる」をコンセプトに、商品政策面では「消費の二極化への対応」「簡便・即食」「地域性」の3つを軸に、売場各所で新たな取り組みに挑戦している。大型SC内への出店ということもあり、ハレの日需要を想定した提案も強化した。地元野菜や、松戸・矢切地区周辺の近郊野菜に地元メーカー商品の提案、ヨークフーズ店舗で初導入の鮮魚寿司「魚華堂」、惣菜売場のご褒美気分を味わえるおつまみやスイーツなど注目だ。開店から1カ月が経ったので、イトーヨーカ堂の新しい動きを確認しておきたい。
2025/11/12
