米国「Whole Foods Market」が10月8日に、「2026年食品・飲料トレンド予測」を発表した。トレンド評議会がまとめたもので、Whole Foodsの仕入れ・バイヤー・料理専門家らから構成された評議員が、産地・製造・消費現場の観察・新興ブランドとの共創セッションを通じてトレンド予測を毎年発表している。食の潮流を先取りする指標として世界の食品業界に影響を与えているものでもあり、今年度は「好奇心・創造性・意識的な選択」がキーワードとなり、健康や便利さを超えた“価値ある食”の方向性を提示している。
▼2026年食品トレンド予測トップ8は以下の通りであった。
① 牛脂の台頭(Tallow Takeover)
② 食物繊維に注目(Focus on Fiber)
③ 女性農業従事者の年(Year of the Female Farmer)
④ キッチンクチュール(Kitchen Couture)
⑤ 冷凍高級料理(Freezer Fine Dining)
⑥ ビネガーに夢中(Very Vinegar)
⑦ 甘いけれど、マインドフルに(Sweet, But Make It Mindful)
⑧ インスタント商品の再考(Instant Reimagined)
▼予測された8つのトレンドを、米国の流通・小売視点で整理しておきたい。先ずは、① 牛脂の台頭(Tallow Takeover)だが、昔ながらの脂肪である牛脂(獣脂/tallow)が改めて注目を集めている。ホイップしたものやハーブ注入品種も含め、揚げ物・パン製造用途で高発煙点・豊かな風味の点から再発見されている。ブランドサイドでは「鼻から尻尾まで(nose-to-tail)」という動きのひとつとして、通常捨てられがちな脂肪部分の利活用も進んでいるようだ。小売・製造業としては、従来植物油依存であった揚げ・焼き加工に対し、原材料・調理単価・風味訴求という観点から“脂の見直し”という調達/商品開発余地が生まれてくる可能性がある。
▼② 食物繊維に注目(Fiber Frenzy)、タンパク質重視という潮流が続く中で、消費者は腸内健康・消化器の総合健康・より長く満腹感を維持する自然な方法を求め、繊維(食物繊維)に注目している。ブランドでは「繊維入り」の表記をパッケージに前面に出した製品(パスタ・パン・クラッカー・バー等)が増え、例えばキャッサバ・チコリといった根菜系がプレバイオティクス飲料の成分として使われ、こんにゃくが植物ベース調理済食品の繊維源として脚光を浴びている。小売戦略的には、PBやNB商品において「繊維追加」「腸活」「プレバイオティクス」をキーワードに棚割・品揃え見直しを図るチャンスとなっている。(つづく)
2025/11/13
