百貨店や老舗専門店、通販各社に加え郵便局や専門雑誌の通販サイトまで“重詰おせち”の予約合戦が華やかだ。7月から商戦が始まっていた戦いも最終コーナーに差し掛かっている。2024年新春市場は、多くの商品で二年連続値上げが実施されたことから販売が落ち込み、11年新春以降、初めて縮小したのだが、25年新春は、通販型が値引きやポイント還元訴求により、市場は再び拡大した。早期予約(割引)での囲い込みと12月の駆け込み予約が目立つ結果であった。
▼食品スーパーでは24年新春に値上げ商品の多くが販売数量を落としたことから、25年新春は商品価格の変更見合わせや、内容見直しによる値下げなどを行ったが、特に関西エリアでの苦戦は印象深い。百貨店と量販店の減少で実店舗型は縮小した一方、通販では“ジャパネットたかた”によるテレビ通販の躍進やスカイネット「福袋おせち」の続伸、楽天グループを中心にオンラインモールが好調なことから拡大している。それぞれのチャネル、チェーンならではの付加価値おせちのニーズも高く、独自性のある商品開発は継続されている。
▼リアル店舗にとって、26年のおせち商戦はリベンジの年になる。24年末のおせち商戦は全国的に厳しい結果となった。家族が集う機会は前年より1.3%減少し、帰省や親戚訪問が減り、その代わりに旅行や外食に出かける人が増えたのだ。結果、おせちを用意する人の割合は46.6%と減少、食べる人も66.3%まで下がったのだ。外食や旅行関連の支出は大きく伸び、「ハレの日消費」が家庭外に流出した格好であった。家庭内での“お正月らしさ”が薄れ、食品スーパー店頭のおせち売場は総じて苦戦したのだ。
▼先に述べたように、リアル店舗が取りこぼした需要を、ECが奪った構図になっている。だからこそ25年末年始商戦は「店頭のリベンジ」が最大のテーマになるはずだ。紀文食品が実施した調査では、「例年通りおせちを用意した人」が41.4%、「例年は用意するが今年はしなかった人」が9.0%。さらに「初めて用意した人」、「久しぶりに用意した人」を合わせると、全体の56%近くが潜在的なおせち需要層になるとある。この層を再び動かすために、店頭の“リアル体験価値”をどう再構築するか──そこに勝負の鍵があるはずだ。売場では既に販売計画は完了しているだろうが、再度のチェックをして欲しい。(つづく)
2025/11/20
