小売各社の11月業績だが、気温低下により、衣料品や住居関連、日用品で秋冬物商品の動きが良かった。後半の“ブラックフライデー”は業態、企業間のバラツキもあるが、販促を強化した企業を中心に好調であった。節約志向の高まりが一因とみられる。気温が低く、降水量が少なかった結果、季節商品が多い専門店でプラス要因に働いた。食品は各業態とも堅調であり、PBや惣菜が伸びている。加工食品は購買頻度の高い商品でアイテム数を絞り、価格訴求を強めている。インバウンド需要は月後半から鈍化。中国政府による渡航自粛要請の影響で、中国からの訪日客数が減少している。
▼百貨店は、売上の大半を占める国内客は引き続き堅調だが曜日影響を踏まえると、やや減速感がある。月前半はコートなど冬物衣料が動いたが、月後半に伸びが鈍化している。ラグジュアリーブランドや宝飾品等は好調。外商顧客などの富裕層、アッパーミドル層の需要は共に堅調。インバウンド需要は、中国からの来店客数が減少、ラグジュアリーブランドを含む一般品がマイナスに転じて月後半に減速した。スーパーはGMS、SMとも改善するも、曜日影響を除くと横ばいで。GMSはブラックフライデーが賑わったイオンリテールが好調。主力の食品はGMS、SMとも堅調である。各社ともPBや惣菜、価格対応を強化した商品などが好調である。
▼CVSは10月に比べ若干持ち直したものの、客数のマイナスが継続。天候要因の見方は各社でバラつきがある。前年が高気温であった反動がマイナス、降水量が少なかった点がプラスに働いた。商品ではおにぎり、カウンターFF、菓子などが好調。DrSは、既存店の伸びが鈍化したが全社では改善した。インフルエンザの流行で調剤、風邪薬、マスクなどが好調であり、食品も好調継続、季節用品の需要増も寄与した。インバウンドは、企業により二桁以上の伸びとなった。外食の既存店は原材料価格の高騰に伴う値上げ効果は薄れてきているものの、引き続き好調。ただ、曜日配列効果による客数増が大きく、これを除くと客数の伸びは鈍化。家族や多人数での利用が多い業態は、曜日配列の寄与がより大きいとみられる。低価格業態の客数が他業態を引き続き上回っており、消費者の節約志向は変わっていない。
▼数値の羅列になるが、SM業界、11月の主な企業各社の業績は次の通りである。
◎アークス:既存店4.5%(客数0.6%・客単価3.9%)、全店4.5% ◎アクシアルリテイリング:既存店5.5%(客数▲2.2%・客単価7.9%)、全店6.0% ◎オークワ:既存店0.3%(客数▲2.9%・客単価3.4%)、全店1.5% ◎関西フード:既存店3.5%、全店2.4% ◎ダイイチ:既存店4.7%、全店12.4% ◎バローHD:既存店8.1%(客数3.3%・客単価4.6%)、全店14.5% ◎ハローズ:既存店4.2%(客数2.3%・客単価1.9%)、全店6.9% ◎フジ:既存店1.7%、全店1.9% ◎ベルク:既存店5.6%(客数1.3%・客単価4.3%)、全店9.7% ◎マックスバリュ東海:既存店3.8%(客数1.2%・客単価2.6%)、全店4.0% ◎ヤオコー:既存店5.3%(客数1.7%・客単価3.4%)、全店8.8% ◎ヤマザワ:既存店6.1%(客数2.6%・客単価3.7%)、全店4.7% ◎ユニバース:既存店5.6%、全店 5.9% ◎U.S.M.H:既存店3.6%、全店4.6% ・マルエツ:既存店2.8%(客数1.5%・客単価1.4%)、全店3.4% ・カスミ:既存店3.9%、全店3.9% ・マックスバリュ関東:既存店1.9%、全店1.9%・いなげや:既存店5.1%(客数1.1%・客単価3.9%)、全店8.0% ◎ライフコーポレーション:既存店3.8%(客数1.2%・客単価2.6%)、全店4.5% ◎リテールパートナーズ:既存店2.4%(客数0.1%・客単価2.3%)、全店4.8%
2025/12/30
