新規事業提案(ビジネスプラン)」の策定も・・・

コーネル大学RMPジャパン1月は、「新規事業提案(ビジネスプラン)」に関する時間もあった。修了論文作成の位置づけで5~6名のグループワークになる。上場企業「フードサービスあづみ野」(仮想のモデル企業)の5年後の姿を描き、3ヵ年の中期計画としての新規事業提案をまとめるもので、成果の中心KPIを「ROAを10%超へ(現状は8%割れ)」を達成するための提案となる。取組みの領域は自由で、新会社設立/全社刷新/部門強化/人材育成などを検討して6月の末までに提案書を作成するものだ。

▼グループワークとして、重要条件の確認、モデル企業の制約(人手不足、価格競争、デジタル遅れ…など)の把握、そして新規事業アイデア出しに向けて議論が展開された。グループ分け後の初めての時間であったが、事務局(ファシリ役)は、「問題設定 → どの戦場で勝つか」の定義まで進めて欲しかった。モデル企業の課題をグループメンバーで共通し、取巻く環境「外部環境の圧力」の把握、「モデル会社の現状確認」まで進めたが時間不足は否めなかった。

▼環境分析は、マクロ分析でのPEST(政治×経済×社会×テクノロジー)分析で小売業界を取巻くパラダイムシフト級の事象には、① 地政学リスクと「経済安全保障」の常態化(分断・再ブロック化)、② インフレの定着と「金利のある世界」への回帰(低インフレ前提の終わり)、③ 人口減少・高齢化 × 労働力不足(最低賃金上昇)=省人化の“必然”、④ 気候変動・異常気象と脱炭素規制(食品・物流・エネルギーの同時変化)、⑤ 物流制約の構造化(ドライバー不足・規制)と“届け方”の創造、⑥ 生成AIを含む「AIの一般化」(知的作業のコスト構造が変わる)、⑦ データ主権・プライバシー・サイバーリスクの増大(信用が経営資本化)、⑧ 安全保障リスクの常態化(感染症・食の安全・危機対応)がありそうだ。

▼これらの事象のどのテーマに対する新規事業を提案してくるかは興味深いところになる。小売業を取り巻く事項に落とせば、シェアリング・エコノミーへ、「モノ」消費から「コト」消費へ、キャッシュレス時代へ、非接触・デジタル化社会へ、脱炭素社会へなどの動きがある。これらに対して、ROAインパクト(利益率/回転どちらに効くか明確か)、実現可能性(人材・投資・既存資産で可能か)、3年で形になるか(中計に落とせるか)、地域・理念との整合(地域社会への貢献)、競争優位の根拠(誰が真似できないか)などの論を深め、実際の経営にも活かせるような報告書が出ることを期待せずにはいられない。

2026/01/20