Aldi. The hottest retailer in the US.・・・

コーネル大学RMPジャパンの1月の講義時に、コーネル大学のキャンパスから担当頂いている教授からのウェビナーが開催された。① コーネル大学の状況、② 経済予測、③ ホリデー商戦まとめ、④ 2026年トレンドを解説頂いた。食品小売業界に影響する大きなトレンドとして•Budget Constraints Shift Consumer Behavior(予算制約による消費者行動の変化)、•Protein and Fiber Crazy(プロテインとファイバー人気)、•LMMS and AI are everywhere (LMMSとAIが当たり前に)、•GLP 1s Are Here… to Stay? (GLP-1の今後の影響)、•Omnichannel Isn’t an Alternative Anymore(オムニチャネルはもはや代替手段ではない)が上げられていた。また、経済予測の解説の中で“Aldi. The hottest retailer in the US.”との話も出たのでAldi社の動向を記したい。

▼米国で最も勢いのあるディスカウンターとしてAldiは、米国進出50周年となる。2026年に全米31州で180店超を新規出店し、年末に約2,800店、さらに2028年末に3,200店体制を目標としている。投資は2028年までの5年間で総額90億ドルを投じ、店舗網拡大・サプライチェーン強化・デジタル体験刷新を同時に進める構えだ。背景にはインフレ下で「より高い価値×低価格」を求める需要があり、2025年だけで新規顧客が1,700万人増、全米の3世帯に1世帯が利用する浸透度に達している。

▼出店は既存エリア深耕だけでなく新市場開拓(メイン州ポートランドへの初出店、コロラド州で2年間に50店超など)に踏み込み、加えて24年に買収したSoutheastern Grocers傘下(Winn-Dixie等)をAldi型へ転換する動きも加速。26年に約80店、27年末までに200店超のコンバージョンを計画している。急拡大を支えるため物流網も増強し、配送センターを27年フロリダ、28年アリゾナ、29年コロラドに新設、既存拠点には生鮮向けチルド増設も進め、供給の安定と効率を高める。

▼同時に「顧客体験の刷新」として、26年初頭にWeb/デジタル体験を全面改修。嗜好に応じたレコメンド、再注文、栄養情報、レシピからの材料購入などで“まとめ買い”ニーズに対応し、カーブサイド受取も丁寧なピッキングで差別化。インスタカート等の外部配送パートナー連携も拡大し、「Aldi・first」習慣化を狙う。客数面では25年の来店が前年比8%増と競合を上回り、シェアは2.8%でも店舗数では全米3位へ。さらに高所得層・若年層が従来SMからディスカウンターへ移る潮流も追い風になっている。低価格の源泉はご存知のように小型店(約10,000平方フィート)・PB比率90%超・段ボール陳列や複数バーコード、カート使用25セント、袋詰めセルフなど徹底した削ぎ落としにある。加えてファングループ(約380万人)や週替わりの「ALDI Finds」により、安さだけでなく“宝探し体験”としての熱狂も生んでいる。7月の米国訪問時、店舗見学で体感したい企業だ。

2026/01/22