生成AIを、賢く使いこなす能力を身につける・・・

小売業界における世界最大級の祭典「NRF 2026 Retail’s Big Show」が、2026年1月11日〜13日にニューヨークで開催された。全米小売連盟(National Retail Federation)が主催する世界最大級の小売展示会で、今年は、世界100か国以上から約4万人の参加者が集まり、800社を超える企業が出展。日本からも多くの小売・流通・IT企業が訪れたのであろう。業界マスコミの詳細レポートはこれからであろうが、先ず概要だけでも見ておきたい。注目は、いかにAIが革命をもたらすかなのだが、足元でも大きく変わっているようだ。

▼寄せられたレポートによると「NRF2026」の結論は、AIは「実験」から「実働」へ移っている事だ。「会場を支配していたのは『AIで未来が変わる』という期待感ではなく、AIがすでに小売の業務・顧客体験に“組み込まれて稼働している」という現実だ。その中核をなすのが、生成AIの次のフェーズ「エージェンティック(自律型)AI/エージェンティック・コマース」。AIが提案に留まらず、状況判断→予測→実行までを担う方向に議論が移っている。

▼NRF2026を象徴するレポートだが、「Google」のAIと「Walmart」の在庫・物流が直結し、検索・提案・購入・配送までをAIが自律的に完結させる構図が提示されており、アプリやサイトを行き来しないで検索即購入に繋がっているとあるものだ。消費者が欲しいと思ったその瞬間に、在庫確認から価格比較、購入までをAIが一気通貫で処理する。消費者の一言が、そのまま購買プロセスに変換され、検索画面から売場までが再設計されている見立だ。これは、購買頻度が高く、「今すぐ欲しい」というニーズが強い食品スーパーにおいて、究極の利便性を提供するものなる。

▼食品スーパーのEコマースは、顧客の自宅近くにある実店舗の在庫と密接に紐付いている。生鮮食品を扱い、在庫の回転率は高く地域ごとに売れる商品も異なる。この「ローカルかつリアルタイム」な複雑性を人間の処理能力で解決するのは難しく、反対にAIが最も得意とする領域なのだ。コロナ禍の折、Eコマースが急拡大した際に露呈した「欠品」や「代替品」の問題を解決するのは、まさにこのリアルタイムのデータ処理能力だ。20年以上も前になるが、AmazonにEコマース革命を起こされた小売業界だが、このAI革命においては同じ轍を踏まないという意志すら感じる。食品スーパーはAI導入の難易度が高い一方で、その恩恵を最も享受できる分野でもあるとも言っている。

2026/02/06