Wegmans、コネチカット州に初進出店が苦戦・・・

米国小売業界で「食品スーパーの王様」と称されるWegmansが、コネチカット州に初進出(9州目の進出先)を果たしてから半年以上が経過した。昨年7月、同州ノーウォークにオープンした新店舗(675 Connecticut Ave. Norwalk, CT)だが、Stew Leonard’sの本店(100 Westport Ave, Norwalk, CT)までの距離はわずか3.8マイル(約6キロメートル)と至近距離に存在している。車であれば15分程度の距離で、東海岸を代表するスーパーマーケットが近距離で激突する事例は稀だ。しかも、創業家同士が30年来の親友という背景もある。

▼実際、Wegmansの開店当日には、Leonard Jr氏(コーネル大学RMPジャパンの店舗視察時、よく案内をしてくれる経営者)が新店舗を訪れ、ダニー氏やその娘でCEOのコリーン・ウェグマン氏らと笑顔で記念撮影を行ったとの情報もある。レオナードJr氏はSNSで「30年以上も家族ぐるみの付き合いがある」と明かし、表向きは友好的な歓迎ムードを演出したのだが、位置情報分析企業Placer.ai社がまとめたデータによると、オープンから半年が経過した時点でも、Wegmansにとって厳しい現実のようだ。

昨年12月の末の来店客数を見るとStew Leonard’sが9万8400人を集客したのに対し、Wegmansは5万7400人にとどまった。年が明けた1月も同様の傾向が続いている。Stew Leonard’sの6万8300人に対し、Wegmansは5万4000人だ。この数字はニューヨーク州ハリソンにある最寄りの店舗よりも1日あたり1000人ほど少ない。なぜ、全米で絶対的な人気を誇るWegmansが、ここノーウォークでは苦戦を強いられているのか。地元メディアのコラムニストによると、両社の「勝ち方」の違いが浮き彫りになる。Stew Leonard’sの特徴は、何と言ってもそのエンターテイメント性になる。

▼食品の品質という点では、多くの商品群でWegmansに軍配が上がるのだが、小売業における勝敗は、単なる「味の良さ」だけでは決まらないようだ。Norwalkという土地は「Stew Leonard’sの領土」なのだ。住民にとって、生活の一部であり、習慣なのだ。Wegmansがいかに高品質で、広くて快適な店舗を作ったとしても、「いつもの店」を変えさせるには、半年という期間はあまりにも短すぎるのかもしれない。この激戦区で、ShopriteやTarget、Walmart、さらにはTrader Joe’s、Whole Foodsなどの競合からも顧客を奪わなければならない。「食品スーパーの王様」であっても、強固なファンベースを持つ「地元の英雄」の牙城を崩すのは容易ではないということだ。

2026/02/11