「安さで勝負」は限界か・・・

2022年頃からのインフレの出口は見えず、昨年はさらに加速した。原材料価格や仕入価格をはじめ、あらゆるモノの価格が上昇した。1品単価のアップによって食品スーパー各社の既存店売上高は堅調に推移している。増収基調なのだが経営コスト上昇の影響は大きく、利益確保には苦労する企業が目立ち始めている。インフレ、賃金上昇がこのまま続けば、小売業は破綻するのではないかとの強い危機感を聞くようになった。

▼食品スーパーのMD戦略も特徴的になって来た。多くの企業が取り組んでいるのが、二極化への対応と、付加価値の提供になる。価格訴求を軸としたMDは、限界を迎えている印象だ。あらゆるモノの価格が上昇する中、企業独自のEDLP戦略を展開する企業を除き、価格で集客し、売上を上げても、荒利益高を確保するのは不可能になって来ている。そこで重視し、取り組み出したのが二極化への対応ということになるというわけだ。

▼消費行動が高価格帯と低価格帯に極端に分かれる現象二極化と言い、コロナ禍の影響が大きかった22年ごろから聞かれるようになり、現在も重要なキーワードとなっている。物価高で生活防衛意識がいっそう高まる中、普段の生活は低価格商品にニーズが集まる一方、年中行事やライフイベントには支出を惜しまない、あるいは日常におけるちょっとした贅沢を楽しむ消費者が増えているのだ。こうした消費行動の変化を商機ととらえ、「ハレ」のニーズに対応する価値ある商品の提供に力を入れている。

▼では、具体的にどのようにして価値の創出をしているのかだが、その企業が持つ、元々強みとしてきた商品や施策を更に磨き込む手法。そしてもう1つが、市場や産地、生産者との連携を強化して、他店では手に入らない価値ある商品を展開するというアプローチになる。これらの価値追求した商品開発を進めるうえでは、PB商品が担う役割が大きい。そして潮流として挙げられるのが、PCの製造能力を引き上げることで、店舗での作業負荷を減らして収益性を高め、それを原資にお客には手頃な価格で商品を提供するという考え方になる。多くの企業が第4四半期に入り、価値創出のMDの重要性がこれまで以上に高まっている。

2026/02/12