食品スーパーの特徴的なMD戦略は、「二極化への対応」と、「付加価値の提供」になって来た。この特徴を上手く活かした店づくりで話題となっているのが、「バロー横浜下永谷店」だ。バローHD傘下のバローは、昨年11月に関東第1号店「バロー横浜下永谷店」を開業した。関西・東海で磨いた“生鮮強化型”の売場づくり(デスティネーション・ストア戦略)を首都圏でも崩さずに持ち込んだ店づくりが特徴で、インパクトは、関東圏への初進出だけでなく、首都圏食品スーパー(SM)の定石と異なる生鮮特化のDSモデルを提示した点だ。
▼店舗は横浜市港南区に立地し、売場面積は約2041㎡、駐車場292台。旧ヤマダデンキ跡への居抜き出店で、同一建物にDAISOや西松屋が入り、26年2月にはマツモトキヨシも開業するというSMを核にした複合施設としての性格も持つ。売場は入口正面の青果から「旬」「鮮度」に絞り込む設計で、手書きPOPなどで推しどころが明確に訴求されている。先月上旬に伺ったが、全国から春野菜の先取りや珍しい商材を織り交ぜ、季節に合わせて重点商品を訴求する八百屋や直売所のような印象だ。カットフルーツを使ったプリン、タルト、パンにフルーツを贅沢に挟んだ「フルーツコッペ」などの店内調理スイーツの品揃えも多く、専門店感で集客装置となっている。
▼鮮魚は丸魚を前面に据え、豊洲市場仕入れの近海魚を多魚種で展開。要望に応じた無料調理や対面販売、刺身加工を組み合わせ、定番外の魚種でも売り切る体制を整える。正月には初競りで落札した大間産本マグロの寿司を大きく訴求するなど、非日常性を日常動線上に組み込み差別化したという。精肉は牛肉(A5等級の飛騨牛、黒毛和牛の部位展開・店内加工品)を核に多アイテム展開する一方、豚・鶏は必要最低限に絞り、売り込む商品に人手と売場を集中させて稼働率を高めている。
▼日配・グロサリーもフルラインではなく、メーカーやSKUを思い切って絞り込み、NBとPBをバランス良く組み合わせて利益が取れる棚を設計。「東海の味」など地域由来の提案で、首都圏でのめずらしさを付加価値としている。惣菜は子会社の「中部フーズ」の運営で、オープン1カ月で10万個売れたという「飛騨牛コロッケ」(1個120円・単品で日販40万円)が話題となり来店動機を強めていた。ただ、惣菜は生鮮ほどの特徴はなく、これから生鮮との連動強化で「バローらしさ」を強化するのだろう。今後、2店目・3店目の出店とドミナント形成で認知が高まれば、関東圏での支持は一段と厚みを増す可能性が高い。
2026/02/13
