月刊業界誌に「イオンリテール」の動きが活発化しているとの特集記事が掲載されている。記事内容だが、国内のGMS業態が失速する中にあってイオンリテールは、「ワンストップの総合性は戦える強み」と、これまで推進し改装などを実施し想定通りの結果を出して来た食品とH&BCを基盤に不振の衣料と住居を立て直す。更にディベロッパー収入や、新たな収益源となる新規事業、リテールメディアにも本腰を入れるとある。本格的な改革に乗り出していることが描かれている。人件費や物流費、光熱費などの上昇が続く中、営業利益率を高めるだけでなく、全店・全部門・全事業で収益力を高める施策が始まっている。
▼食品は既存店売上が長期にわたり前年超えを続け、H&BCも堅調であったが、それでも衣料・住居余暇の低迷を補い切れず、全社の利益改善には限界があった。1階売場の強化だけではGMS全体の再建にならないということで、新たに進めるのが、衣料と住居余暇のフロア改革・売場再編だ。衣料では年齢別・用途別に6ゾーンへ再編、売場を専門店のように見せる「衣料モデル」を展開。若年層やカジュアル需要を取り込もうとしている。住居余暇でも、従来型のホームファッション中心から、趣味・推し活・ゲーム・デジタル関連など、楽しさや体験価値のある売場へ広げ、3世代が一緒に楽しめる場を目指している。
▼特徴的なのは、GMSならではの総合力を再評価し取組んでいる点だ。若者向け売場「ダブルフォーカス」では、アパレルだけでなく食品メーカーとのコラボ商品なども展開し、単なる専門店にはできない魅力をつくっている。また、AIを活用したマーケティング強化、EC刷新、One to One販促、RFID導入など、DX投資の重点も「効率化」から「売上拡大と顧客理解」へ移しつつある。加えて、新規事業の拡大にも注力している。デイサービス、ドレスレンタル、グループ企業向け卸売、さらにリテールメディア事業などを育成し、収益源を多角化する方針だ。
▼商品面では、「〇〇を買うならイオン」と思い出される第一想起カテゴリーの育成と、物価高時代に対応した価格と価値のバランス改善を進め、GMSを“顧客ニーズに合った商品の集合体”へ変えていこうとしてる。ダイエーから承継して昨年11月に改装オープンした「イオンスタイル市川コルトンプラザ」は改装前比で売り上げが3割伸びているとある。「ワンストップはイオンリテールだけが持つ強み」とワンストップ市場の残存者利益を取りに行くという総がかりの挑戦が始動したようだ。
2026/04/20
