Well-Being指標を活用し、店舗戦略を・・・ ①

デジタル庁の地域幸福度(Well-Being)指標を活用して、店舗戦略を考えてみたい。この地域幸福度指標だが、地域を主観的な「幸福感」と客観的な「暮らしやすさ」を合わせてみる仕組みだ。そこで、埼玉県比企郡小川町を例に、食品スーパー向けに読み解いてみた。この町は(株)ヤオコーの誕生した町でもあり、小生の生まれた町でもある。結論から言えば、小川町は「人口減少・超高齢化が進む一方、地域への愛着や暮らしの納得感は比較的残っている町」であり、食品スーパーには、“生活維持・移動支援・健康支援・地域接点” を担う店の論理が求められる地域だと結論付けることが出来る。

▼この町の人口は2026年4月1日時点で26,899人、13,120世帯だ。町の高齢者福祉計画によると、2023年10月1日時点の高齢化率が41.7%、2025年には43.5%、2040年には51.2%になる見込みとされている。デジタル庁のダッシュボード数値を直接一覧表示する事は出来なかったが、住民意識調査では、地域の人の幸福度で5点以上が82.2%とされ、転入者調査でも自分の幸福度5点以上が86.1%、地域の暮らしの満足度5点以上が78.6%である。客観条件に課題を抱えながらも、主観面では一定の納得感や地域への評価が残っている町だ。食品スーパーにとっては、地域の安心感を支える店が機能しやすいことを意味する。

▼昨日、記した食品スーパーが特に注目すべきカテゴリー7項目で見ると、小川町の最重要テーマはやはり「移動・交通」である。最新の地域公共交通計画では、目標として「高齢者等が自ら移動でき、健康的に暮らせる公共交通手段の導入」を掲げ、通院・買物・交流に応じた交通網形成や、デマンドタクシー維持を明示している。更に、バス停留所の待合環境整備や、商業施設等との連携による利用促進も方針化されている。これは、高齢者の買物移動が町の政策課題そのものだということになる。店舗側からすると、来店手段を含めて店の価値を設計する必要がある地域ということだ。既存の食品スーパーが“バスまちスポット・まち愛スポット”として位置づけられており、地域交通と生活導線の受け皿になっている。

▼二つ目の重要テーマは、「健康状態」、「医療・福祉」だ。県の健康指数資料では、小川町の高齢化率は県の1.5倍、75歳以上人口割合も17.7%で県の1.3倍、一人当たり診療費は333,209円で県の1.2倍とされている。町の高齢者福祉計画でも、2023年10月時点で要支援・要介護認定者が1,871人、高齢者のおよそ6人に1人が支援や介護を必要としている。食品スーパーにとっては、健康維持型MDを本格的に組むべき地域ということだ。減塩、やわらか食、高たんぱく、少量適量、栄養表示の見やすさ、買物負担を下げる即食・半調理の提案が効きやすい条件となろう。(つづく)

2026/05/07